変化に対応して調整・更新する
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1. 概要
適応作用とは、環境や社会、技術の変化に応じて、営みや仕組みを調整し更新する働きです。過去において、適応作用がどのように働いていたかを読み解くことで、ストーリーの源泉にすることもできます。
文化の力フレームでは、適応作用を、変化の中で暮らしや仕組みの運用ルールをつくり替え、文化を持続させる働きとして位置づけます。
2. 資源に眠る力を引き出す
適応作用は、環境や社会条件の変化に対応して資源を維持するだけでなく、変化という“圧力”の中で、資源に埋もれていた潜在的な力を表に出す作用でもあります。
また、資源×作用という視点から過去を振り返ると、人々が環境に適応する中で生まれた知恵の履歴を見いだすことができます。
そうした履歴は、現代の課題に向き合う際のヒントや、新しいストーリーの源泉となります。
- 環境資源:気候や社会条件の変化に合わせる。過去における文脈を意味づける。
- 関係資源:役割やルールを柔軟に運用し、ゆるやかな関係を保つ。
- 技術資源:新素材・新技術に適応し、応答精度を高める。
- 歴史資源:過去の記録や習慣を、現代の制度や価値観に合わせて、活かせる形式にする。
- 知的資源:関係や状況に応じて、理念や方針を柔軟に更新する。
3. 力の連関により文化の力を引き出す
成立期の文化では、適応作用は、変化(環境・社会・需要・観光など)を前提に、暮らしや空間、仕事の「運用ルール」や「かたち」をつくり替え、文化が続く条件を整える働きをしています。
- 江戸時代の化政文化:四季や歳時を、着物柄・行楽・行事など「生活の演出」に組み替えている。
- ナパのワイン文化:区画ごとの栽培最適化・管理標準化や、気候変動対応の品種開発など、「環境変動を前提にした栽培・運用ルール」をつくっている。
- ウィーンのカフェ文化:都市気候・日照という環境条件に合わせて、採光・高天井・配置など「空間の運用ルール」をつくり替えている。
4. 他作用との関係
適応作用は、文化を維持・更新する実務的な調整機構として、他作用の後段で働くことが多く見られます。特に関連が強いのは「研磨」「反復」「再生」「翻訳」です。
- 研磨作用:適応によって形や運用を変えた後、その品質や精度を整える。運用基準や制度設計の調整に連動して現れる。
- 反復作用:適応後の新しいルールや仕組みを継続的に運用し、安定化させる。日常の実践によって変化を定着させる働き。
- 再生作用:再生で蘇った要素を、現行の環境や制度に合わせて再運用する際に連動する。再生の実装段階で機能することが多い。
- 翻訳作用:環境や制度の変化を解釈し直し、新しい規約・手順・方針へ置き換える過程で並走する。
5. 判定条件・境界条件
5-1. 反復作用との境界
反復作用が「同じ型を維持し続ける」のに対し、適応作用は「型そのものを環境や条件に合わせて組み替える」動きです。
例:豪雪そのものは毎年同じでも、働き方やルールを変えることで対応している場合は適応作用とみなします。