経済が世界を動かしてきた時代から、文化が未来を形づくる時代へと移行しつつあります。
効率や成長を優先する価値観は、もはや人や地域の豊かさを示す指標になりにくくなっています。
これから問われるのは、多様な背景や記憶が重なり合い、人と人、地域と世界を結びつける文化の力です。
N37は、この転換期において、文化を読み解き、実践につなげるための枠組みを提供し、地域や企業のみなさんとともに文化を育んでいきます。
文化の力フレームは、文化の力を観測し、それに応答する実践を考えるための枠組みです。
環境・関係・技術・歴史・知という5つの資源に、反復・再生・研磨・共創・適応・翻訳・異和という7つの作用が重なりながら働くことで、資源に内在する力が立ち上がると考えます。
そのうえで、環境の力・関係の力・技術の力・歴史の力・知の力が相互に応答し合い、連関していくことで、「文化の力」としての全体像が現れてくると捉えています。
文化の力フレームは、完成された答えではなく、実践とともに変化し続けるモデルです。
現場での観察や試行錯誤を通じて、少しずつ更新されていきます。
活用の方向性としては、たとえば次の2つを想定しています。
分析では、現在の文化を「5つの資源 × 7つの作用」という視点から分解し、どの資源にどのような作用が重なっているのか、またどの力同士がどのように結びついているのかを観測します。
実践では、既にある資源に光を当て、それが活きるような関わり方や場づくりを試みます。資源に眠る力が引き出される条件を整え、複数の領域の力が響き合う状態を目指します。
観光や地域振興、企業文化、教育、クリエイティブ領域など、多様な実践での活用を視野に入れています。